EFポリマー営業・事業開発担当の島袋優さんが今年6月に那覇工業高校を訪れ、社会科クラス3年生の生徒16名に特別授業を行いました。生徒たちと一緒にEFポリマーの可能性について考え、これからの未活用資源についてのアイデアを出し合うなど、社会問題解決について学びを深めました。今回はその様子を、EFポリマー編集部の稲福がお届けします。高校生もEFポリマーへの関心が高い!授業はまず、EFポリマーの基本的な説明から始まりました。〈EFポリマーで営業・事業開発を担当する島袋優さん〉島袋さんは、「私たちはインド生まれ沖縄育ちの会社。環境と人に優しい吸水性ポリマーを作っています」と話し、EFポリマーの特性や世界で注目されている理由について説明しました。EFポリマーは沖縄科学技術大学院大学(OIST)発のベンチャー企業で、果物の不可食部分をアップサイクルし、農業向けの100%有機・完全生分解性を有する吸水性ポリマーを製造・販売しています。 EFポリマーの基本的概要はこちらの記事からご確認いただけます。自身も専門学校卒業だという島袋さん。プレゼンテーションを用いながら、明るい語り口調で、高校生にも分かりやすい事例を交えながら解説しました。EFポリマーについて理解を深めてもらったあとは、生徒に協力してもらいながら、EFポリマーが入ったビーカーに水を入れて混ぜ、徐々に水分を吸収してゼリー状になっていくEFポリマーの特徴を示しました。〈水を吸って徐々にゼリー状に固まっていくEFポリマー〉〈水を混ぜる前は、このように固形の物質です〉〈ゼリー状になっていくEFポリマー〉生徒たちはビーカー中の匂いを嗅いでみたり、揺らしてみたり、EFポリマーを混ぜてみたり。「思ったより固いんだ」「自然由来のものがこんなに水を吸水するなんてすごい!」といった声もあがり、興味津々な様子でEFポリマーを観察していました。〈EFポリマーを観察する生徒たち〉未活用資源について考える機会を創出この日の出張授業の大きなテーマは「未活用資源の可能性」について考えること。EFポリマーも、従来廃棄されてきた植物の残渣をアップサイクルし、自重の何倍もの水分を吸収する、未活用資源の画期的な活用でした。島袋さんは「EFポリマーのように、未だ活用されていない資源を見つけて、その可能性についてみんなで考えてみましょう」と提案。グループワークが始まりました。〈未活用資源について話し合う那覇工業の生徒たち〉未活用資源の可能性については、生徒たちからさまざまなアイデアが出ました。「学校で出た木材の切れ端やプリントなど廃棄物をアップサイクルし、11月にある工業祭で発表してはどうか」「沖縄の土壌に組み込むことで、赤土を抑えることはできるのか」などなど、工業高校という強みを活かし、自身の所属する専門分野の知識と紐付けた、非常に素晴らしいグループワークでした。〈未活用資源の可能性について発表する生徒〉〈真剣な表情で授業に参加する生徒たち〉島袋さんも「みなさんのアイデアが本当にすごい!赤土問題に関しては実際にEFポリマーでも解決に向けて自治体の方々と協力して取り組んでいます。みなさんと一緒に独自の実験などができたらいいですね」と感心した様子で振り返りました。〈ワークショップの感想を述べる島袋さん〉EFポリマーは水を吸収して伸び縮みする過程で、土の団粒構造化を促す特性があります。適度に水はけが良く、微生物にとっても良い環境を作ることができます。また、ポリマーが長期間水分を土中で保持する特徴を活かすことで、農業用途以外にも幅広い活用方法を見出せる可能性があります。過去には恩納村で実証実験を行うなど、沖縄の大きな課題である赤土問題の解決に向けて積極的に動いています。詳しくはEFポリマーの公式サイトで最新のニュースをチェックしてください。EFポリマーの赤土防止取り組みについての記事沖縄の課題について考える一助に今回の出張授業は、クラスを担当する名嘉先生の発案でした。メディアでEFポリマーのことを知り、沖縄の社会課題について考える生徒たちに、ぜひ話しをして欲しいと実現したそうです。名嘉先生は「貴重な機会をいただいて感謝している。沖縄が抱える様々な問題について考えるキッカケになったと思う」と振り返りました。島袋さんは「専門学校で学べるという経験は強いと思います。みなさんは何にでもなれるし、何でもできる。私たちも、EFポリマーのさらなる成長に向けて日々研究を行っていきます」と話しました。今回の出張授業が、未来を担う高校生たちにとって、EFポリマーの可能性や社会課題解決について考える良い機会になれば嬉しいです。関連記事:農業分野を超えた挑戦とは?|EFポリマー研究開発スペシャリスト・中川康インタビュー